東大発9月新学期
 
 にわかに9月新学期構想がひろがってきた。発端は東大学長の発言であるが、思いつきのようであまり熟慮をしての発言とは思えない。東大が言い出せば大筋の賛成は得られるなどとは思わなかっただろうが、今になって色々の問題が指摘されてきた。
 まず就職との時差、高校卒業との時差、学校側は何も考えてていなかったような返答である。高校の卒業生は年が明ければ受験一本になるか、就職による新たな人生の心の準備に三学期を過ごす、卒業、入学、新入社員、高校生のこの人生の華やかな時期を東大の先生達はどのように考えているのだろうか? 当然四月入学の大学もあるだろうし、九月まで間何をしていろというのだろう。
 九月入学で起こるであろ混乱の一番は学校体育である。体育は勿論教育の大きな柱である。失礼だが東大の先生は体育については全く考えていなかったのではないかと思ってしまう。教育の中で体育を下に見たり、勉強が出来れば体育は出来なくともなどと考えている学者は多い。私はスポーツは苦手でなどと自慢げにいう学者がいる。
 国民的行事である夏の高校野球、高校選抜大会、インターハイ、国体、運動会、遠足など学校体育の行事は全て四月入学を基にスケジュールが何十年も作り上げられてきている。これらを根底から覆すのであるなら、一大学の発案でなく、政治家、教育者、経済界、スポーツ界等々など国民的議論を何度もする必要があるとわたしは思うである。


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