コンピューターに暴かれる社会
 
 エジプトの独裁者ムバラク大統領が完全に押さえ込んでいたと思っていた国民に引きずりおろされようとしている。中東の独裁者は次々にその地位を奪われようとしている。東欧諸国で起きた権力の崩壊より更に早く激しい崩壊である。言うまでもなくネット社会のなせる技である。お隣の中国は大きく経済の発展を遂げているが、政府、共産党指導部は中東の混乱を人ごととは思えないであろう。

 日本でも尖閣列島の中国漁船の暴挙の一部始終がてネットで国内に流れ、事件を封印したかった民主党政府は窮地に立たされた。

 今回の八百長相撲事件もIT通信社会が暴いた大事件である。太い指を器用にこなし小さな携帯電話を上手にに使いこなす力士もまた現代っ子である。彼らは秘密の話をメールで伝えあい複数の力士達と直接会わずに疑惑の交渉をまとめてきた。話がついた後はメールを消し証拠は残らずに全て完結したと思っていた。そこが大きな落とし穴であった。消したメールが復元出来るとは全く考えなかったようである。たとえ復元出来る事を知っていたとしても、まさか自分の携帯電話が捜査当局に没収される事態が起きるなどとは思っていなかったのである。
 野球賭博から発した一連の相撲疑惑は相撲賭博まで発展しそうである。大相撲の八百長問題は昔から言われてきた問題であり、相撲社会としてはマスコミも含めてある意味触れてはいけない問題だったのである。しかしこの度は違う携帯電話という文明の申し子が言い訳の出来ない証拠を相撲界に突きつけたのである。今までは言った言わないの八百長疑惑であったが、この度は子供でも使う携帯電話メールが伝統の国技大相撲を土俵際まで追いつめてしまったのである。
 
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