オリンピックの金メダル

 バンクーバー冬季オリンピックでの日本選手は精一杯頑張っているが、まだ金メダルには手が届かない。前回のトリノ大会はメダルゼロの不振が続いた日本選手団であったが、最後にフィギュアの荒川静香選手が金メダルを取り、一気に日本選手団の沈滞ムードを挽回してしまった。金メダルはそれほど価値があり、光り輝く栄光のメダルなのである。
フィギュアの浅田真央選手は健気に素晴らしい金メダルに値する演技だったと思うがその上を行くキムヨナの完璧な演技には敵わなかった、この競技に関して言えば金メダルを二つ用意しても良いのではないかとさえ私は思った。
 フィギュアは華やかな競技だが、全く苛酷な凌ぎ合いの競技である事も今回の大会で良く分かった。オリンピック金メダルは、四年に一度世界でただ一人だけが獲得出来るスポーツ界最大の栄誉である。世界のアスリート達はコーチの指示に従い毎日訓練を繰り返し技を身につけて行くのである。金メダルを取る為に、各国とも選手の育成強化には国家予算を割き、医学、科学、の分野からの支援体制も整えているのである。
 そのような環境から選りすぐられた選手達が競って世界一番を決めるのだから並大抵のことではない。しかもオリンピックは四年に一度であり、更に更に、出場選手達はオリンピック三度目四度目の大ベテランで占められているのである。中にはオリンピック六度目出場などといった怪物もいる。六度と言えば二十四年間だ。良くまあ二十四年間も一つのことを突き詰めて努力できたみものである。しかし逆に考えれば、その間その競技に関わってきた選手達は世界の舞台に出場する機会を阻まれてきたとも言える。
 ここで私は視点を変えて考えるのだ。金メダルを取るような選手は特別の才能があり、ある時期飛躍的に成長することがあるのではないかと私は考えるのである。世界の代表になったのを機会に飛躍的に強くなった選手を私は見てきた。オリンピックは国家的な事業である、オリンピックの参加の機会を広く若者達に与え、優れた才能を発掘するためにもオリンピックに限っては日本代表選手は二回まで、としたルールを作っても良いのではないかと私は考えている。

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