東京オリンピック

 2016年東京オリンピック招致運動もいよいよ本番、IOC委員のオリンピック立候補国の視察、聞き取り調査が始まった。日本はオリンピック招致の国民の盛り上がりに欠けるとマスコミは伝えているが、先進国においてはオリンピック開催には色々の意見があり、米国シカゴも盛り上がりという面では日本とあまり変わらないという。
 そもそもオリンピックは都市が開催地となり、国家の色合いを薄めようというのがオリンピック運動の基本理念である。であるから国家的な招致運動の盛り上がりが今ひとつでも何ら問題がないはずである。
 私は2016年のオリンピックは東京に決まると思っている。根拠はないが石原都知事の熱意、東京の都市としての質の高さ、全てにおける安全度の高さ、国民一人一人のレベルの高さ、どれを取っても東京に勝る都市はないと思っている。オリンピック招致に対しての政界、経済界、マスコミの対応も総じて好意的である。
 ところで前回の東京オリンピックの誘致の際のマスコミの対応は如何だったのだろうか。覚えている人も少なくなってしまったが、私の歳以上の人達は是非思いだして貰いたい。新聞、週刊誌はオリンピックに使われるお金で恵まれない子供達が何人救えるか、とか金メダル一個で何人の老人が暮らせるかなどと書き立てていたのである。左翼の婦人団体はなぜこんな時期にオリンピックを招致するのか、と激しく反対運動をしていた。
 しかし、一度オリンピックが東京に決まるとマスコミは手のひらを返すようにオリンピック一色となり、オリンピックは大成功に終わり、日本は世界の一流国の仲間入りをする足がかりを得たのである。
 オリンピックに使うお金と恵まれない子供達に使われるお金は趣旨が全く違うのである、国防に使われるお金と教育に使われるお金は違うのである。皇室に使われるお金と雇用促進に使われるお金は違うのである。この辺のところをしっかりと理解する国民が一流国の一流たるゆえんである。
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