八百長について

 相撲の八百長問題が裁判にまでなり収まる様子がない。内部告発時代を象徴するように元関係者が次々に暴露発言をしている。マスコミも面白おかしくこの問題を扱って本当に困ったものだ。
 格闘競技は一方の気力が集中しないだけで、勝敗は決してしまう。気力が集中しない原因としては色々考えられるが、中には相手に勝ちを譲る様な場合もあるだろう。たとえば相撲の千秋楽で七勝七敗の力士と八勝六敗の力士が対戦した場合、当然勝負に対する気構えが違ってくる。まして大学時代に相撲を取った仲だったりすれば、勝ちを譲るような心境になっても不思議はない。この様例は八百長ではないと私は思っている。今問題になっているのは勝敗を金で買う、まさにプロの世界の八百長であり、これは許すわけには行かない。
 しかし、この問題はあったのかもしれないし、無かったのかもしれないが、はっきりとした証拠がない限りマスコミは当事者の名指しなどしてはいけないのではないか。疑わしきは罰せずの精神は相撲界でも同じである。元力士の証言の多くの場合、恨みと唆しによって行われる。時には証言にお金がまつわることもある。一方の意見だけを面白おかしく報道するミスコミは三流である。
 日本の相撲ファンは星の譲り合い、時には八百長かもしれない勝負も含めて、相撲が大好きなのである。人間社会には全て裏の部分がある。多くが納得している裏の部分を暴いて良いことなどなにもないのだ。
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