再び疑惑の判定について

 先般行われたハンドボールのオリンピックアジア予選は世界連盟が選考会の試合そのものを否定し再試合を指示した。世界連盟は誰が見ても一方に偏った判定が行われた試合を無効としたのである。
 しかし、これは大変なことである。今までどんな競技にもなかった快挙というか珍事というか、まだまだ尾を引きそうな再試合決定である。既に再試合には日本、韓国以外参加の予定が無く、再試合中にアジアの理事会が開催されると聞く。

 そもそも今回の疑惑の試合に対する直接のクレームは審判員に対してであり、その審判員を指名した審判長であって、クエートの王族であるアジア連盟の会長が直接指示したという証拠はない。
 アジア連盟の言い分としては、選考試合は公正に行われ結果として順位が決まったのであって、試合そのものを無効だという根拠は何処にあるのか。審判員の判定に我慢できないほどの不自然があったらなぜ試合を放棄して、その日のうちに抗議し再試合を要求しなかったのか。試合は無事に終わっているのであり、再試合が必要である具体的な根拠など何処にもない。世界連盟は審判員が偏った判定をしたなら、審判員にペナルティーを課せばよい。予選で敗れた韓国、日本、が作成したビデオだけを参考に再試合を決定したのなら、これまた一方に偏った判断と言われてもしょうがないのではないか。

 ボールゲームで一度終わった試合を審判員の判定の疑義で試合を無効にした例など何処にもないだろう。今回の件はまだまだ難しい問題を残している。アジア連盟が再試合を認めないのは当然である。再試合を強行することはアジア連盟を否定し、アジア予選を世界連盟の管理下に置くということなので、今後どの様になって行くのか見物である。
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