オリンピックに出たいが
今のままでは無理だと思っている諸君へ
 
 オリンピックに出たいが今のままでは無理だと思っている諸君へ。
 今のままではどう頑張っても自分は二番三番手と自覚し、チャンピオンには勝てない、だけど一度で良いから日本代表として大舞台を踏みたいな。と思っている諸君読んでください。オリンピックまで二年もあるのですよ、何で新たな考えで、新たな練習をしないの?今のままでは駄目なんでしょ。オリンピックに出たいのでしょ。どうして今までと違う練習を考えないの。
 レスリング競技をもう一度考えてみましょう。レスリングはどんな競技ですか。
レスリングは相手を押さえつけ背中を一秒間マットにつけたら「フォール」で勝つ競技です。ポイントのゲットを競う競技ではありません。フォールが無く試合終了時結果としてポイントのゲット数で勝敗が判定されますが、これは本来のレスリングの勝敗の目的ではありません。フォールをすればどんなに劣性であっても、試合が始まってすぐでも、試合は終了し勝ちを得ることが出来るのです。ここから練習方法を考え直していきましょう。
 まず勝負を度外してフォール出来る可能性のある、態勢、技、の研究から入りましょう。両者が見合っている状態では、まずフォールは生まれません。まず、相手と組み合う事から入りましょう。
 タックルを入るための組み手ではなく、ポイントを取るための組み手ではなく、相手を一発で投げ倒す技が掛かりやすい組み手を研究してみよう。たとえタックルをされそうでも、脇が甘くてくぐられそうでも、気にしないで攻めまくることを重点に考えてみましょう。相手の立場になって考えてみましょう。ポイントを取られ事など気にせず攻めてくる相手が如何に嫌か、相手の勢いに攻める事より守ることに終始してしまうでしょう。そうなればしめたもの、逃げ腰になった相手は体重が後ろに掛かり、大内狩り、小内狩り、両足タックル、相手を一発で背中から倒す大技のチャンスです。失敗をおそれず攻撃をすることです。全力で自分を信じて技を掛けるのです。相手は同じ体重の人間ですよ。技が掛からないわけがありませんよ。
 相手が組んで前に出てきたら投げ技が掛かります。一本背負い、首投げ、何でも良いですよ。この時しかないと全勢力を集中して投げ技を掛けてください。この様な攻撃の姿勢で試合を攻めまくり、ポイントなど試合が終わってから考えるといった意気込みで、五分の試合中に少なくとも五回はこの様な攻撃を相手に仕掛けるのです。勿論、いきなり試合では出来ません。練習に練習を重ね、何処がチャンスなのか、どうしたらチャンスを作れるのかを肌で感じ取るのです。大丈夫です。オリンピックまで二年以上もあるのですから。人生一回の勝負ですレスリングに全てを掛けてみませんか。
 
戻る