柔道のルール改訂
 
 国際柔道連盟はスポーツ化が進み本来の姿から離れていった柔道を、投げ技中心とする柔道に戻すため、いきなり足を取る技を全面禁止した。新ルールはいきなり足を取りに行った選手に対し、注意や減点ではなく一回目から反則負けにするという厳しいものだ。嘉納治五郎が技と定めた肩車まで禁止技の中にあるというのだから実に厳しいものだ。
 新しい国際柔道連盟会長の勇断は大したものだ。新会長は柔道とは如何なるものかを良く理解して、公平に専門家の意見を聞き柔道を本来の姿に引き戻したと言えるだろう。審判団も新ルールの主旨をを良く理解しているようだし、先日の国際大会でも大変適切な判定をしていた。
 新ルールは日本にとって大変有利なものになったので不満の国も沢山あるだろう。中央アジアには古くから柔道に似た、クラッシュ、チタオバ、モンゴル相撲等という格闘技があり、その技は足を取りタックルから様々な技に変化してゆくのが主流である。その技を禁止したのだから各国は相当言い分があるだろう。
 ルールについては今後論議か繰り返されるだろうが、日本柔道はこの新ルールの下、本来の柔道の、美しさ、素晴らしさを見せて貰いたいと思っている。
 少年時代柔道に熱中した私は、常に柔道に注目し柔道に言いたいことも沢山ある。最近は全く見られなくなってしまった、払い腰、送り足払い等様々の技は今の柔道には通用しなくなってしまったのだろうか。私の身体中にある格闘技の感覚で、出足払いのかかった時の満足感は今でも身体にしみ込んでいる何物にも代え難いものである。
 
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