耳を潰してはいけません |
格闘技の選手の象徴として耳のカリフラワーがあります。カリフラワーとはつぶれた耳の俗称で、アメリカでそう呼ばれるようになりました。タックルに入るときに耳が相手の身体に激しく接するので、耳が内出血して軟骨が固まった状態がカリフラワーです。レスリング、ラクビー、柔道、相撲等の選手は多かれ少なかれ、耳はカリフラワーになっています。 しかし、耳がカリフラワーになって良いことなど一つもありません。悪い例として、まず耳が聞こえにくくなります。また、水が耳の中に直ぐに入ってしまいます。実は、正常の耳の溝は音が聞こえやすく、水が入りにくく出来ているのです。夏の練習は汗まみれになり、その汗が耳の中まで直ぐに入ってしまいます。それが中耳炎、耳の炎症等を誘発します。 耳を潰して良いことなど一つもありません。しかし、最近の選手は大半が耳がつぶれています。女子の選手も、小学生まで耳のカリフラワーを見かけます。指導者の皆さん、こんな事をしてはいけません。耳が腫れてきたらスパーリングは中止してください。 50年前、我々が選手の頃、日本は世界最強でした、しかし、耳のつぶれた選手は今ほどいませんでした。特にチャンピオンは耳が正常であることがステータスでした。歴代の世界チャンピオンの耳を見てください、笹原正三、池田三男、渡辺長武、市口政光、上武洋次郎、福田富昭、中田茂雄、数えたらきりが有りません、かつてのチャンピンは皆耳は正常です。私もほとんど潰れていません、ということは相当強かったということです。全国のレスリング指導者の皆さん、耳を潰さない指導をしてください。 |