タックルの原理

 人間は2本足で立っております。世の中に2本足で安定して立っているものは人間以外ありません。椅子、テーブル、は勿論倒れます。2本足で立つことの出来る猿や熊など他の動物も瞬間的に2本足で立っているだけです。何故人間は終始2本足で立って、走ったり力を出したりましてや格闘技まで出来るのでしょうか。
 人間は左右の足に体重を移動させて、常にバランスを取って立っているのです。人間は2本足で立ったことにより、他の動物と違った能力と知恵を得たと言われております。
 本来は2本足で倒れて当たり前の人間を、倒す事を競う競技がレスリングです。自分のタックルを確かなものにし、理論的にタックルの成功を確信できる技を身につけましょう。誰でも右足を前に踏み出して右足がマットに付いた瞬間はその右足は動きません。全体重が右足にかかり、足を動かす為には左足に一旦体重を移し替えないと右足は動かないのです。その一瞬を捕らえて片足を取るのがタックルの極意です。その為にはいつでもどんな体勢でも飛び込める構えを維持していなければなりません。それが片足タックルの難しさであり面白さです。たとえ、一瞬相手の足を止めたとしても、その瞬間に相手の足を取らなければ、何の意味もありません。今だ、と思った瞬間にタックルを仕掛けられる身の構えがレスリングに最も必要な条件なのです。片足タックルは何時でも左右どちらにでも感じたときには入っている、というぐらいの攻撃ができなければ成功しません。それにはまず構えです。全ては何時でも攻撃できる体勢から始まります。

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