レスリングを面白くする今泉私案

 今回のレスリングのオリンピック種目除外候補決定の要因は、試合が面白くなく勝敗が分りにくいということが大きな理由だとされている。「しかしそれなら射撃やアーチェリーはどうするのだ」と言いたくなる。
 それはそれとしてFILAはルール上の抜本的な改善に努めるといっているからどの様なルール改定案が提案されるか期待している。

 そこで私も考えぬいたルール改定案を皆様にご披露したい。
 私の案はフリーとグレコを組み合わせて一試合とする案である。第1ラウンド両選手はピックアップの判定で先行のスタイルを決める、第1ラウンドフリーが選ばれた場合は2ラウンドはグレコ、第3ラウンドがある場合は、再びピックアップで自分のカラーを引き当てた選手がスタイルを選ぶ。仮想試合を試合を再現してみよう。

 「赤」米満選手対「青」松本選手の対戦、第一ラウンド松本選手が先行権を引きグレコを選択した。試合は始めから松本がグレコの技で積極的な攻めまくるも、米満もさがらず五分に応戦激しい差し合いの攻防が繰り広げられた。1分過ぎ松本が両差しから場外に押しだし1ポイント先行、更に終了直前両差しから体を返して2ポイントを獲得して1ラウンド3対0で松本の勝利。
 第2ラウンドは米満得意のフリーで開始である米満は開始早々片足タックルからバックを狙うが、松本も上が胴を抱え込み一気にローリングに入るか構えに、米満はいったん体制を立て直し両足に持ち替え確実にワンポイントゲット、松本はグラウンドをしっかりと守り、スタンドとなったがグレコ松本は相手の腕を取り、脇を固めながらフリーの米満にタックルを許さない、両者激しい攻防でラスト15秒米満渾身の両足タックルが決まり松本仰向けに倒れ2ポイント。第2ラウンドは3対0で米満の勝利。
 いよいよ勝敗を決する3ラウンドである。ピックアップは青が出て松本有利のグレコの勝負となった、松本断然有利と思われたが逆に米満は積極的に攻めまくり松本の差し手を封じ一歩も引かぬ構え、松本は焦って胴タックルに行くも跳ね返されラスト30秒に入ると両者激しい攻防で全く優劣付けがたく観客は固唾を呑んで試合に見入った、ラスト5秒米満の胴タックルで松本場外に足を出し、以外や以外グレコで米満の勝利となり今までにない実に面白い試合となった。

 (財)日本レスリング協会はこの両スタイルの混合試合を全日本グランドチャンピオン選手権として年に一度開催すれば、マスコミにもアピールできるし、動画で世界に配信すればレスリングの興味は倍増するだろう。世界選手権は従来通り、フリー、グレコで行い、オリンビックだけグランドチャンピオン大会とし階級も10階級にして、120キロ以上級もつくり身長2メートルを越す200キロの選手の攻防はまた別の意味の面白さを生み新たなレスリングファンが増えることとなるだろう。

これが今泉私案である。

 
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