メキシコでは柔道も除外された

 オリンピック種目選択委員会でレスリングが落選第一候補に挙がってしまった。どうしておかしいじゃないかと各方面から聞かれるが、IOCが決めたことなので致し方ない。
 IOCには如何なる組織も国も監督指導することは出来ない。IOCそのものが憲章を持ち、IOCが憲法なのだからである。レスリング界は抜本的な改善策を示して最後の一つに生き残るしかオリンビック種目にも戻る方策はない。

 柔道は東京オリンビックで正式種目となったが次のメキシコでは除外された。この事は今は柔道関係者にも知らぬ人が多い。柔道がメキシコの種目から外された時、故八田一朗レスリング協会会長がジャケットレスリングとしてレスリング競技に取り入れようとIOCに働きかけたのだが、柔道界が動かず実現しなかった。

 国際レスリング界はこの50年間会長をクーロン(フランス)、エルセガン(ユーゴ)、マルティニティー(スイス)とヨーロッパ勢の独裁的連盟運営が続いた>IOCに対しても同等ぐらいの意識しか持たず、ルールをテレビ時代に対応するよう再三改善を迫られていたが、ほとんど目に見えた改革はなされてこなかった。今回のオリンピック種目脱落はIOCが業を煮やし、ロゲ会長が任期の最後に放った意思表示かもしれない。

 私は今後の結果はともかくとして良い機会だと思っている。オリンビックを外れて全格闘技界をまとめて総合格闘技大会を開くことも一つ。冬季オリンピックに空手やキックボクシングなどと室内競技として参加するのも一つ。
 冬季は世界のオリンビックなどと言っても世界の半分も参加していないのが現状である。また競技が全て道具を使って行われ、道具メーカーの戦いとすら言われている。また道具が高額で後進国では到底揃えることすら出来ない。裸で出来るレスリングや空手やテコンドウを冬季の種目に入れて全世界が参加できる冬季オリンピックにするのも一つの考え方である。

 いずれにしてもIOCが今後をどの様に考えるか、今となってはIOCも困っていることは確かである。

 
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