浜口京子の復帰

 浜口京子が昨年の女子世界選手権以来半年ぶりにポーランド国際大会に出場するという。この半年どの様に過ごしてきたのかは分からないが、国際大会に出るからには準備万端なのであろう。

 浜口京子は数々の国際大会でメダルを獲得してきたが、私が見る限り実力を出し切ったという試合はあまりなかったと思う。浜口の鍛え抜いた並はずれた筋力、坂道を全力で駆け上がる心肺機能、真剣に練習に取り組む態度、どれを取っても一流品である。

 しかし、過剰に勝敗を意識し責任を感じてしまう繊細な神経が邪魔をして、試合になると実力の半分を出せないようなことが度々あった。目標であるオリンピックで2度もメダルを取り、一仕事終えた気分で半年間休養を取り、新たな気持ちで試合に臨むのだろう。

 ポーランド国際大会には世界チャンピオン、スラテバをはじめ世界の強豪が出場するという。10年以上鍛え抜いた体力はそんなに簡単に落ちるものではない。例えば落ち着いて、受けを中心にして試合を組み立てたり、今までにない楽な気持ちで試合に臨めば、新しい浜口京子が誕生するかも知れないと期待している。

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