メダリストが背負うもの

 ロンドンオリンピックの日本選手団はメダル獲得では史上最大だった。華々しく凱旋して銀座のパレードは素晴らしいものだった。一月経った今もメダリスト達はテレビは勿論それぞれの出身地、卒業した学校から特別表彰を受けたりして一躍有名人である。

 しかし、顔を知られたメダリスト達は今後良きにつけ悪しきにつけ、有名人としての人生を送って行かなければならない。ひたすらスポーツに打ち込んで結果最大の成果をあげたが、スポーツ選手が今までとは全く違った人生を送らなければならない場合もある。試合負ければ話題になり、恋人が出来ても、結婚しても、離婚しても、普通の人なら当たり前の出来事だが一度名が知られてしまったらそうはいかない。本人はもとより兄弟親族まで話題になる。まして交通事故を起こしたり、事件に関わったりしたらメダリストの誰々の何々とマスコミに書れてしまうだろう。
 私の知っている金メダリスト達もひっそりと暮らしたいと思っている人達も多く、所属協会にもほとんど顔を出さない人達もいる。メダリストになって不幸になった人も私は知っている。

 私は一つ提案をしたい。それはメダリストに対し国が生涯年金を出すことである。青春の全てをスポーツにかけ、三十歳すぎれば普通の人になってしまい名声だけが付いて廻る。勿論その名声で商売したり良い職業に就いた人も沢山いるが、金メダルを取る様な人は個性も強く、自分自身に厳しく人にどう思われても我が道を行くタイプが多い。
 JOCの傘下の競技団体の会長にゴールルドメダリストがほとんどいないのもそうしたことかもしれない。私の知る限りゴールドメダリストで各協会会長になったのはレスリングの笹原正三氏と柔道の上村春樹氏だけではないだろうか。

 国民の心をあれだけ一つにさせ国民に喜びを与えてくれたメダリスト達に年金を出すべきだと今泉雄策は主張します。


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