華やかな全日本選手権

天皇誕生日に行われた「天皇杯全日本選手権」は実に盛大で華やかなものだった。私はレスリング関わって五十五年、マイナーだったレスリングがこれほどまでに立派な全日本選手権が開催出来るとは想像も出来なかった。代々木第二体育館の三千の観客席は満員で立ち見が出来るほどで居並ぶカメラ報道各社は数十社である。こんな会場で試合が出来る選手は幸せである。私達の頃は床にマットを引いて、観客も関係者ばかりだった事を考えると隔世の感がある、私もあの様な会場で戦いたかったと今も思っている。
 この様に華やいだ大会になった大きな要素はやはり女子レスラーの存在だろう。今や女子がレスリングをすることは何の違和感もなく、むしろ女子がレスリングの中心になったような感さえある。柔道も、重量挙も、マラソンも、サッカーも、も以前は男子の競技であったが、今は女子選手が話題の中心である。まさか女性がと思われた競技も僅か数年で女子は技術を習得し、何の違和感もなくなってしまう。既にスポーツ界には、男子だけなどという競技はなくなってきたのである。
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