寄付について

 私は最近の赤い羽根や歳末助け合い運動などの募金運動には何となく抵抗を感じてしまう。赤い羽根募金やNHK歳末助け合い運動は私が子供のころからあるのだから50年以上は続いているのだろう。戦後の貧しい混乱期から世の中が180度変わってきたのに、募金そのものは少しも変わっていない。
 赤い羽根募金は僅か1ヶ月ほどの募金活動なのに職員を永続的に抱え、募金のかなりの部分が人件費に費やされているという。更に先日は職員の横領が発覚し、その主旨が全く違った方向に行ってしまっているかのようだ。困っている人、恵まれない人達の状況も50年前この運動が始まった時とは大きく変わってしまい、その存在意義さえ問われていると思う。生活保護制度、児童手当は充分とは言えなくともそれなりに機能しているし、健全な肉体を持ちながら、貧しいと言われても、怠け者とは紙一重であると私は思っている。
 パキスタンの大地震のがれきの中で寒さに凍えている人達、アフリカの食べるものもない子供達、我々が手をさしのべなければならないのはこういう人達だ。山中で凍えているパキスタンの子供達に送った寄付金が途中で消えたり、職員の余分な人件費など他の事に費やされるなどということは、我慢がならないことだ。
 国境無き医師団の活動に感激して寄付をしたのだが、礼状も来ず、相変わらず印刷された寄付の依頼書ばかり来るのである。医師達は立派なのだが、事務局に問題があるのではないか。募金活動をする機関につとめる職員諸君はその任の重さをもう一度再確認し、崇高なる精神のもとでその責務をまっとうして欲しいと思うのである。
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