大きく何かが変わっている
 
 本年度の最後の3月31日、我が社が借りている紀尾井町TBRビルが秀和社から米国銀行に所有権が移ったと挨拶に人が来た。秀和と言えば一世を風靡した不動産業者であり、一時は大手スーパーを何社も乗っ取ろうとして名を馳せた会社である。
 ダイエー中内氏の終焉に始まって以来、西武、堤氏に象徴されるようにカリスマ経営者が次々に表舞台から退場してゆく。三井、三菱、NHK、朝日新聞、年金保険庁などの考えられないような体たらく、何処で堰を切って永年の膿が出て来たようだ。情報公開、民営化の流れが検察庁に勇気をを与え、永年の政治家、一部財界との癒着を断ち切ったと言えるのではないか。私の知っていた旧財閥系の役員は、警察と役人と飲み食いするだけが仕事だった。
 現在の小泉総理の評価は様々だが、少なくともこの様な永年のしがらみに本気で手を付けたのは小泉総理だけであった。道路公団、保険庁、大阪市役所、彼らのやりたい放題は氷山の一角であるが、それぞれの役所、公団で不合理な制度が見直されてきた。また誰も手を付けなかった食肉業界のボスも司法の場に引き出された。インチキ政治家が臭い物にはふたをしてきた北朝鮮拉致問題、韓国竹島問題を外交の問題に提起した功績は大変なものである。政府が言ったわけではないが、総理のしたたかさを感じる島根決議である。一時的に韓国が怒ってもこの問題は解決していないんですよ。と言い続ける事が肝心である。
 金日成の誕生日に貢ぎ物を持って、日本から大挙してピョンヤンを訪れた政治家、労組幹部は今何をしているのだろう。竹島に韓国が軍隊を送ったとき、知らぬ顔をしていた時の総理はまだ生きている。ゆとり教育を推進したのは自民党の大御所である。一部財界も、政府御用学者も、賛同したのはわずか数年前のことである。インチキ政治家、インチキ学者、役所のせいにばかりしないで、何とか言って貰いたい。
 
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