世界の不安
 
 イラクの問題、パレスチナ問題では米国もよほど困っているのだろうが弱音は吐けない。ブッシュ大統領の記者会見も強気の姿勢は崩さなかったが、1時間にわたった会見中、大した話はなかった。日本政府もぎりぎりの選択を求められているが、小泉総理も寝られない日々だろう。
 世界中が困っているのだから、ほおっておくわけには行かないが2000年以上も争いが絶えない中東の問題は日本人には理解出来ないのは当然だ。国家対国家の問題は利害が絡み合って本音が出てこない。国家の考えは一部個人を無視しても貫かなければならない場合もある。人質問題などで右往左往せず政治家は腹を据えて難局に臨んで貰いたい、人気取りの言動などもってのほかだ。
 マスコミの報道により庶民感情は常に揺れる。今の時代マスコミの責任は実に重大だ、認識してほしい。中東、パレスチナ問題は部族同士の憎悪に宗教の派閥争いが絡んで、何千年も争ってきているのだから、そう簡単には収まるはずがない。私の友人のユダヤ人はとことん戦う以外解決方法はないと極論し、毎月収入の15%をイスラエルに送金している。友人のバングラ人は同じイスラム国のパキスタンを米国より悪いと言うが、ことイラク問題となると日頃の温厚さからは考えられないような激しい口調で米国を非難する。
 世界はもうひと揺れ有るのだろうか、ユダヤ人は何故ナチスからあのような迫害を受けたのだろう。ユダヤ人は国も持たなかったのに何故世界を支配するほどの沢山の金持ちがいるのだろうか。祖国とはそれほどまでに忘れがたい存在なのか。華僑も又世界中を凌駕している。上海の急速の繁栄はすざまじい、しかし中国は途方もない貧富の差を広げたまま更に成長し続けるのなら、どこかで大きな混乱が生じるのではないか。北朝鮮はいつまで金正日態勢を維持できるのであろうか。小心な独裁者は危険だ。側近に知恵者は居ないのか、何時までもあの態勢が持つはずがない。国を救いたいのか、自分だけ助かればいいのか、世界には日本人には理解出来ないことが多すぎるが、本音で話し合えばすぐに解決が付くことも有るだろう。
 「人間とは愚かなやつよ。」と嫌われ者のカラスが笑っているようだ。
 
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