SARSについて

 前に「日本人は何故SARSにかからないのだろう」という文を私のページ上に書いたが、その理由らしいものを台湾で医師の友人に聞いた。台北市当局はSARSが台湾人に感染して、何故日本人、韓国人に感染しないのか、医科大学で研究しているそうだ。今までに台湾人400人の血液検体を集めて分析した結果、台湾人、福建人の遺伝子には独特の「HLA−b46」と呼ばれる組織抗原か含まれていて、この遺伝子を持つ人はSARSには抵抗力が弱く、感染した場合も症状が重いという。この遺伝子を持つ人は、中国南方系の人に多く、日本、韓国、モンゴル人など「北アジア系」にはほとんど見られない遺伝子だそうだ。今回のSARS騒動で感染した8500人の内、カナダで感染した人も、シンガポールで感染した人も、全てこの遺伝子を持つ南方系中国人だそうである。まだ研究は完結してはいないが、遺伝子「HLA−b46」の有無を調べる検査試薬は出来上がっているそうである。何はともあれ今冬はSARSがアジア各地に流行しないことを祈るばかりだ。

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