最近の雑感
 
顔の話
 人間有る程度の歳になったら自分の顔には責任を持て。とよく言われる。人の顔はさまざまだが、歳を取ればその人の人生が顔に出る。という意味だろう。どう見ても不男だが何とも味のある顔にお目に掛かることがある。言葉を発しなくとも鋭い威圧感を放つ顔もある。反面、鼻筋が通り、若いときはハンサムだったろうなと思うが、弱々しいつまらない顔の初老の男を見かけることもある。
 私の知っている顔では、八田一朗、嘉納治五郎、田中角栄、双葉山、周恩来、等の各先生は代表的な素晴らしい顔の人々だと思う。八田会長、周恩来、を除けば、どちらかといえば不男であるが、その信念の人生が顔に出ているように思える。昔、私が通った門前仲町のモツ鍋屋のおやじは、無愛想でろくに口も聞かなかったが、安く美味しいところを客に食べさせようといつも真剣だった。その顔は絵に書いた剣豪のような顔をしており、プロのカメラマンが写真に撮りたがっていた。
 最近話題の三人、ブッシュ、フセイン、金正日、の顔をよく見てみよう。大した顔をしていないにしろ、私にはどう見てもブッシュが一番良い顔をしているように思える。少なくとも過去には悪いことをはしていない顔だと思うのだが。

よけいなお世話
 横浜の川に住み着いたあごひげアザラシのタマちゃんを北の海に帰してやりたいと、タマちゃんを想う会のメンバーがアメリカから専門家を呼んで捕獲しようとした。結果は、アザラシには逃げられ市民の強烈な顰蹙を買った。米国の自然保護団体を費用を負担をして日本まで呼んだのだったのだから、想う会は真剣に考えていたのだろうが、まったく的はずれのお節介でである。アザラシは自然に川に迷い込んできたのだから自力で出てゆくかも知れないし、たとえそこで死んでも自然なことではないのだろうか。自然とは美しいばかりではない、簡単に生き物の命を奪う。自然とは残酷なものでもある。

日本的マナー
 四谷の駅でアラブ人と思われる外人が自動改札機で引っかかった。外人は引き返し駅員に清算金を払って出ていった。最近在日外人のマナーが良くなってきた。5〜6年前は自動改札機を飛び越えて逃げて行く外人をよく見かけた。外国人の凶悪な犯罪が増えている反面、日本社会に順応して、日本的なマナーを身につけて行く外人も多く見かける。日本の若者もいろいろと顰蹙を買っているか車内で携帯電話をかける人もあまり見かけなくなった。たばこの問題も喫煙所以外での喫煙はほとんど見ることが出来ない。昔から日本社会は法律的規制はしなくとも、「世間様」というお目付役がいて、マナーを守ってきた歴史があるが、日本もまだまだ捨てたものではない、日本人にはもとより外国人にも世間様はいらっしゃるようだ。
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