今泉雄策的経済論 |
私は中央大学経済学部を卒業したが、経済の如何なるものかもあまり理解していない。但し零細企業の社長歴三十年、国内経済のそれなりの展望は出来る。現在の未曾有の経済不況について私なりの解釈を書いてみたい。 結論をさきに言えば、給与所得者、年金受給者達は潤っている。預金金利は殆どゼロでも、デフレの価格減少分だけ所得が増加したと同じ事である。物の価格を抑えて、給与をあげて国民生活の向上を目指したのは、とりもなおさず日本国政府だった。そこの目的がデフレという形には変わったのだが、戦後の政府、日銀の目指した経済情勢は実現したのだ。倒産、リストラ、はいつの世にもある。問題なのはその数だ、全く仕事がないかと言えば、選り好みしなければまだまだ求人はある。 世界的レベルで見れば日本人が困窮しているなどとはとうてい思えない。物価は衣食住を中心に大幅に下がり二十年前の水準と言われている。一般給与と言えば公務員を中心に大企業は僅かでも昇給している。今は会社が大変だからと言って、給与を下げてもあまり文句がでない、こんな社会など世界中捜してもないではないか。 仕事さえ有ればこんな恵まれた経済環境はないといえる。日本経済は失業、金融、の不安定をのぞけば理想的な経済情勢なのだ。マスコミも不況不安を煽る報道は辞めて、政府に金融の安定を促し、雇用の確保を促進るよう求めるべきだ。それが出来れば国民生活は安定し、日本が持つ世界一の預金は三十パーセント以上価値があがったと思うべきである。 国内産業の沈下についてももう少しの辛抱だ。極端な例であるが、中国ではマクドナルドのハンバーガーが百五十円だか、日本では五十円である。日本では老眼鏡が百円ショップで売っているが、中国では三百円だ。商品によってはほとんと価格の違わないものもでてきた。中国のGNPは日本の四分の一であるのに対し人口は日本の十倍である。単純に計算すれば個人あたりの所得は四十分の一である。それなのに価格の同じ商品が出てきた、此は大変なことである。全ての分野の合理化により中国と価格の同じ商品を売れるようなシステムが出来つつあるといえる。中国が世界経済にごして行く上で、元もいずれ元高の方向に行かざるをえない。日本には経済危機に対応する知恵と能力はまだまだ潜在している。おそらく今後韓国を始めとするアジアの諸国が直面するで有ろう経済危機を、日本がいち早く乗り越えて、安定した経済の仕組みを築き上げる日もそう遠くはないと思える。 |