疑惑判定と勝者の態度

 プロボクシングの疑惑判定や勝者の態度が大変問題になったので、格闘技の判定と勝者の態度について少し時間も経ったので私の意見を書いてみたい。

 格闘技の判定は見る角度によって意見が大きく分かれる。その為に試合を二方向、或いは三方向からジャッジをする競技が大半である。従ってそれほどめちゃくちゃなことは出来ないばずなのであるが、それがそうはいかないのが判定の難しさであり、いかがわしさである。
 我々もずいぶん不本意な判定には泣かされた。アテネで笹本の試合が正当な判定であったなら金メダルを取っていただろう。もし金で判定をねじ曲げるような試合があるならば、それはスポーツとは言えない。判定についてはそれ以上は言いようがない。

 勝者の態度については、日本の武道は古来からの礼節が重んじられ、勝者は敗者に対し敬意を表し、対戦してくれたことに感謝の意を表す。これが闘う者の礼儀とされてきた。この様な礼節は日頃の練習の態度から身に付くもので、日本に限らず世界各国どんなスポーツでも試合の始まりと終わりに挨拶を交わさない競技などない。ボクシングの試合でも始まりには必ずグローブを合わせ挨拶をし、試合が終わればお互い労り合い、相手に敬意を表しているではないか。なのに何故ボクシングの勝者が「どんなもんじゃい」と相手を罵倒し、試合後、歌を唄うようなショーになってしまったのだろう。こんな事をしていたのでは駄目だ。これはひとえに指導者の問題で、10代の何も分からないボクサーを責めてもしようがない。
 テレビ局の無知と不見識が才能ある選手を次々に潰していってしまう。話題のボクサーがハンバーガーをかじりながら記者会見に現れたのには全く呆れてしまった。目先の人気だけを追い続けるテレビ局は人気が無くなればあっという間にボクシングを捨てるだろう。
 
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