福井総裁の晩節

 日銀総裁の福井さんはなるべくしてなった総裁だそうだ。経歴といい人柄といい非の打ち所がなく、日銀育ちの総裁として多くの人に期待されて誕生したそうだ。しかし、村上ファンド事件以来、世間の評判は落ちるばかり、その温厚な上品な顔にも陰りが出て悪人面に見えることさえある。投資金の利益、資産の開示が後手後手に回り、総裁としての信頼は大きく崩れていってしまった。「利益は寄付をする」などと取って付けたような言い訳がかえって不信を買うことを東大出の超エリートには分からないのだろうか、もっとも4億円も持っていればに2000万円の寄付など何ともないだろう。
 総裁の責任がどの様な結末になるにせよ、福井さんの晩節は惨めなものであろう。エリートになればなるほどその落差は大きく、子供もいれば孫もいるだろう。無職となれば自然に友人たちも離れてゆくだろうし、あれだけ顔も売れてしまえば外にも出にくいだろう。70歳を越して世間に顔向けができず、4億円とつまらぬプライドだけを抱いて後の人生どのように生きてゆくのだろう。いくら偉くても金があっても哀れな東大出の老人である。

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