早稲田、慶応両大学のスポーツ界への貢献を期待する
 
 明治以降、欧米諸国より日本に移入された近代スポーツは、大学を中心とした学生文化の中で発展を遂げた。その中でも、嘉納治五郎が校長を務めた東京高等師範学校(のちの筑波大学)とともに、私学の雄、早稲田・慶応両大学が野球をはじめとした学生スポーツの中心的役割を担なってきた。
 しかし、東京オリンピック以後は次第に早慶大学から優れた選手が輩出されることが少なくなり、各競技団体役員においても早慶の長老が高齢になるにつれて、活躍されるOBが減っていった。(財)日本レスリング協会においても八田一朗会長時代は、早慶大学のOBが半数を占めていたのだが、現在は理事には一人も両校出身者がいない。理事になるにはそれなりの推薦母体が必要であるから、両校OBの組織に対する貢献が少ないといえるだろう。
 今なお、学生ラクビーや野球が人気のあるのは早慶が強いことが大きな要因である。学生スポーツが人気を取り戻すためにはどうしても早慶の活躍が不可欠である。早慶両校は、政済界には多くの指導的立場の人材を輩出しているのに、スポーツ界においては、サッカーの川渕さん(早稲田)のような傑物もいるが、全体的には組織に貢献する人材は減っている。勿論、大学の状況が大きく変わってきたのは事実であるが、早慶両校には是非、ジュニア対策を含め、スポーツの強化策を再構築してもらいたいし、また、組織の運営にも参加してもらいたい。
 早稲田大学は早稲田スポーツという総合的な支援組織を確立し、それぞれの競技クラブの強化に乗り出したという。レスリングにおいてはその効果が着々と実りつつあるようである。スポーツ界発展のために、政財界に大きな人脈を持つ早慶OBが学校エゴを廃して、ボランティアの精神で組織の中核に参加し、日本の教育を含めたスポーツの改革・振興に貢献していただきたいものだ。
 
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