インターネット時代の恐ろしさ

 先日、インターネット上のサイトから私にとって全く驚くべき資料が発掘された。
 1963年6月、英国マンチェスター市で日米英三国レスリング大会が開催された。当時の日本は戦後十数年しかたっておらず、国際的にはまだ二流三流の国であった。大国米英と並んで大会に招待されるなどということは考えられないことであったが、超国際人八田一朗会長の尽力で日本レスリングチームがマンチェスターに招待された。私はフライ級の日本代表として参加し、世界チャンピオンのフェザー級・渡辺長武、ライト級・堀内岩雄らも参加した。私は2戦2勝で最優秀選手となった。何と、この時の映像が出てきたのだ。
 このことは45年も前のことなのでほとんど忘れていた。ところがその映像がイギリス・某ホームページサイトの膨大な映像資料の中に保存されており、先日偶然にも日本のプロレス研究家がそれを発見、廻り廻って私の処に届いたのだ。映像に映っている当時二十二歳の私ははつらつとして相手を攻めまくり、驚くほどの強さであった。放送のアナウンサーはイマイズミ、イマイズ
ミ、と連呼し、この選手は何という強さだ等と言っていた。
 しかし、インターネットとは本当に驚くべきものであり、恐ろしいものだ。当時テレビはあったが、多分ビデオはなかったと思う。あの三カ国大会がテレビ中継されていた事も知らなかったが、どうしてその映像が、また私の試合だけが残されていたのだろう。すでに終わってしまったと思っていた過去が蘇り、良きにつけ、悪しきにつけ、白日の下に暴かれてしまう、喜ばしい過去ばかりでない私にとって、考えさせられる出来事であった。
 
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