レスリングを続ける意味

 レスリングの練習は辛い、なのに少年達も、高校生も、大学生も、社会人も、辛い辛い練習に耐えてレスリングを続けるのだろうか。それもほとんど休みもなく、ただ辛いだけの練習を続けられるのであろうか。レスリングの練習には達成感はある、充実感もある、しかし楽しいなどと言うことはほとんど無い。それなのにレスラーは毎日毎日辛い練習に挑む。君等は何故そんなに辛い練習に耐えられるのか、レスリングが好きだから、勿論そうだろう、しかしそれだけで頑張れるのか、強くなりたいから、それだけでもないだろう、有名になりたい、大学からスカウトされたい、親兄弟の期待に応えられたい、目立ちたい、友人達に優越感を持ちたい、そうだ、そうだ、レスラーは頑張れば、辛さに耐えれば、普通の人とは違う、選ばれた人間になれるのだ、そしてそのことがやがて君たちの将来の人生に大きな自信を与えるのだ。今の時代はオリンピックで金メダルを取るとかなりの賞金がもらえる、しかしお金がもらえるから頑張っているという選手はほとんど居ない、結果として賞金がもらえたと言うのが現状である。多くの世界の選手達の精神的支えに宗教がある、キリスト教、イスラム教、がその主なものであるが、ほとんど宗教を持たない日本選手の精神的支えになる事は何なのか、日本のレスリングを世界一流にするには、そこまで考えなくては成らないのではないだろうか、世界で優勝する事が如何に偉大なことか、人生として如何に意義のあることか、を選手諸君に自覚させ、協会関係者も万難を排してその功績に報いる事を考えなくては成らないだろう。レスリングで世界一になることは本当に大変なことなのである。
 
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