米国の逞しさ

 米国の逞しさを日本人は知るべきであり、学ぶべきであると私は思っています。今の日本の過保護の子供達が将来世界に出ていっても、とうてい勝つことが出来ないであろうと私は思っています。私の知っていることはレスリング界のことなので体験したことを皆様にお知らせしましょう。
 米国ウイスコンシン州で開催された少年レスリング大会は日本では考えられない規模です。大会はアイススケート場にマット15面を敷いて行われます。参加者は3000人で、一番遠距離から来た子供達は自動車で800キロ走ってきたそうです。計量は夜11時まで行われましたが、ウエイトオーバーした選手は失格でした。睡眠は知り合いの家、ホテル、自動車の中、色々ですが私か驚いたのは、20人ほどの子供達をコーチがマットをめくって並べて寝かせ、バスタオルを枕にして「みんな静かに寝なさい」と言って寝かせていたことで、体育館の電気を消したのは深夜でした。日本だったら大問題でしょう。
 翌日は試合が始まりますが、その前に登録と出場費のチェックは保険会社が行い、出場選手は保険の加入が義務づけられており、その中に出場費も含まれております。登録を済ませた選手は腕にマジックインキで数字を書き込まれます。試合の進行表示は全て数字で示され、試合進行は各マットとも数字で掲示され自己責任で試合の準備をします。試合に3分以上遅れたものは失格です。呼び出しなど一切ありません。
 さらに驚くべきは表彰です。3位以内に入った選手はジャッジペーパーにレフリーがサインし賞状に変えます。賞状をもらった選手はそれを館内の売店に持って行くとメダルやトロフィーがもらえます。こんな事を日本でしたら父兄がなんと言うでしょう。
 大会に参加する父兄は入場料「5ドル」を払い、プログラムも買って大会に協力します。全選手のお昼ご飯はボランティアの作った粗末なサンドイッチで、この売り上げも大会の費用となります。私が話を聞いたオハイオ州からきた選手は、両親にこの大会に参加させてもらうために、家で水汲みと薪割りを2週間したそうです。その子は3位のメダルを大切に誇らしげに握りしめ、パパ、ママに喜んでもらえる、新聞に名前も載ると目を輝かせていました。
 こんな米国の純粋な逞しい子供達に日本の軟弱な子供はとうてい勝てないと思った私でした。日本は子供の教育を真剣に見直す時が来たのではないでしょうか。
 
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