新春八田一朗俳句

城壁をとつとつと登る初日かな
我が家は北京で城壁の側に住んでいたことがある

いささかの衰えも見せず寒稽古
学生時代から正月二日に三軒茶屋の佐藤道場で
寒稽古をすることにしている。
佐藤金之助先生は私に寝技を教えた先生である。


初稽古終わりて風呂のぬるきかな
佐藤道場は初稽古の後新年宴会をするのが習わしだった

餅つきの終わりて集うからみ餅
朝から餅をついて腹の減ったところへ、
大根下ろしにうかした餅は幾つでも食べられる


元旦や一日一句と定めたり
正月になると今年こそは何と何をしようと何時も決心する。

元旦や今年は節酒と定めたる
去年は少し飲み過ぎた

入れ墨の紅あざやかに初湯かな

まひまひの風にむかひてたちなほる

あんこうの酢味噌に水戸の味のあり

昨年末に亡くなられた沼尻直茨城県レスリング協会会長を
八田会長は愛し、よく水戸を訪ねた。


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