スポーツの服装
 
「私の晩年に熱中したのスポーツは剣道だ。格闘競技の全ての要素を持った武道で色々学ぶところが多い。剣道は今後とも発展普及してゆくだろう。しかし一つだけ大きな問題がある。それは剣道着だ、第一に剣道着や防具が高価すぎる。しかも防具は持ち運びに不自由で、竹刀一本で何処でも稽古が出来るというわけには行かない。しかも防具は非常に非衛生的で、長いこと使っていると汗で塩漬けの様になってしまう。すごい臭いがし、かびも生える。ビニールや化学建材が普及している現在洗濯できるようなもので考えたらどうだ。そしてもっと軽い素材を使って折りたたみが出来るような工夫をしたらどうかと思っている。安く、軽く、折りたたみの出来る防具が出来れば 更に剣道は普及して国際スポーツに成るであろう。日本古来の武道をスポーツ化することには色々問題があるが、相撲の審判も変なものだ。アマチュアの審判は蝶ネクタイに白い手袋をはめ草履を履いている。アマチュアの相撲の審判は柔道着を着て袴をはき、軍配がよいのではないか、スポーツの改良には二つの原則がある。一つはスポーツの近代化に即した服装を創造してゆく、もう一つはその競技の伝統を尊重すると言うことだ。


 と故八田会長は言っている。八田会長は一見奇抜な事を言っているようだが、実際は常に先を見て、古い慣習ににとらわれず常に新しいアイデアを考えていた。日々努力を重ね六十歳過ぎてから剣道七段になり、俳句を作り、俳画を書き、毎朝皇宮警察で乗馬をし、剣道をし、NHKの英語講座を勉強してから一日が始まった。本当に立派な会長だった。
 
八田句集 俳気より
 
いささかの衰えもみせず初稽古
句を作る豊かな気持ちクリスマス
人の味鮨の味にも通ずべし
元旦や一日一句と定めたる
元旦や今年は節酒と定めたる
あんこうの酢味噌に水戸の味の有り


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