政界の団十郎と八田会長
 
 戦後の政界の本流を歩き、総理大臣として長きにわたって日本をリードした佐藤栄作氏は、その好男子ぶりから、政界の団十郎と言われていた。
 佐藤総理時代に参議院議員になった八田一朗会長は、新人ながら、総理に劣らぬ風貌と押し出しで、国会を闊歩していた。誰にでも簡単には頭を下げないので、政界では生意気なやつ、とよく言われていだが、本人は一向に気にせず、河野一郎など早稲田体育会では俺の方が上だ、と威張っていた。八田会長はその男ぶりから大変女性に持てたが、私の知る限り奥様以外の女性に興味を持ったことはなかったと思う。これは決して興味がなかったのではなく、八田会長はそうゆう事ををしていけないのだ、と自分の生き方としての、確たるものを持っていたように思う。自らを雨だれと称していた。この表現はいかにも八田会長風で、雨だれとは一つ穴にしか落ちない。と言う意味だとか。
 私が「会長、雨だれも好いですが、軽石はどうですか」と言ったら、軽石とは何だと聞かれたので、「踵と擦るだけ、つまりカカアとするだけです」と言ったら、大笑いしながら「なかなかよいね」とほめられた。

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